< JAL批判論 : 3年分の目次 >
2006年10月16日、新マネー砲談がJALを糾弾してから3年に及ぶ。
「 日本航空は粉飾決算を行っているのか? 」 という疑問は、常軌を逸する子会社の膨大さから始まった。
大企業の本業は、子会社のダブル上場なのか、と思える日立製作所に代表されてきた。
日立製作所社長 床山悦彦氏 の自画自賛 日経ビジネス2005年3月28日号 |
日立グループが取ってきた子会社政策は素晴らしいものだと自負しております。 親子とかいう表現はあまり好きではないが、子が上場し、さらに孫まで上場しているケースもある。 8兆6000億円という連結売上高(2003年度)の連単倍率は3.47倍にもなっている。 連結における4分の3ほどを親以外が稼いでいるわけです。 |
コード |
市場 |
名称 |
東証1部 |
日立製作所 |
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東証1部 |
日立建機 |
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東証1部 |
日立工機 |
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東証1部 |
日立金属 |
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JASDAQ |
日立プラントサービス |
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東証1部 |
日立国際電気 |
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東証1部 |
日立化成工業 |
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東証1部 |
日立電線 |
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東証1部 |
日立メディコ |
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東証1部 |
日立ツール |
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東証1部 |
日立プラントテクノロジー |
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東証1部 |
日立マクセル |
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東証1部 |
日立ハイテクノロジーズ |
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東証1部 |
日立キャピタル |
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東証1部 |
日立ビジネスソリューション |
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東証1部 |
日立ソフトウェアエンジニアリング |
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東証1部 |
日立物流 |
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東証2部 |
日立システムアンドサービス |
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東証1部 |
日立情報システムズ |
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東証2部 |
日立機材 |
2009年12月現在
我が国の証券市場の銘柄記載が “ 五十音順 ” でなく、業種別に仕切った理由は親子ダブル上場の醜態に耐えられないからと想像できる。
子会社上場に隠された目的は、米企業の雇われ経営陣が得た成功報酬と同じだろう。
日本の経営者は自社株のストック・オプションの代わりに、子会社を設立し、その株を上場直前に安価な第三者割当増資で取得できた。
子会社のダブル上場は上場後も子会社株を過半数保有することで、第三者の経営介入を排除できる仕組が内包されている。
真の受益者は親会社の株主に非ず、経営陣なのである。
< 身内で むさぼる 親子丼 > |
親会社の役職員が 子会社の個人株主になってしまう ドンブリ勘定 新規上場の直前 役職員に第三者割当増資した株を さらに株式分割 |
http://tokyoutlaws.web.fc2.com/takarada/oyako2.html
用済みとなった日立の子会社は順番に上場廃止 |
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子会社 |
新規上場 |
出資比率(%) |
高値(年) |
時価(2009.12末) |
日立プラントテクノロジー |
1970年04月 |
68.14 |
1,760 (1990) |
591 |
日立マクセル |
1977年11月 |
51.37 |
3,690 (1985) |
1,690 |
日立情報システムズ |
1987年01月 |
51.63 |
8,010 (1987) |
2,870 |
日立ソフト |
1990年10月 |
51.34 |
18,110 (2000) |
2,625 |
日立システム&サービス |
2004年03月 |
51.20 |
3,540 (2006) |
2,130 |
とっても美味しい 子会社の短期間上場と吸収合併 |
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親会社 |
子会社 |
子会社上場 |
上場廃止 |
日立製作所 |
日立電子エンジニアリング |
1999.3 |
2002.9 |
日立製作所 |
日立モバイル |
2002.6 |
2006.3 |
そして偶然にも巡り遭った正反対のチャンピオンが日本航空だった。
有価証券報告書に記載された子会社の社名・住所・資本金などが、数百社も並ぶ日本航空に圧倒されたのである。
2006年10月16日 |
許されざる親子丼上場 |
なぜ日本航空だけが日本的な「 親子ダブル上場 」 を忌避したのか?
この会社は親子ダブル上場で悠長にIPOを狙うより、子会社の金庫に手を突っ込んでブッコ抜いて来たと確信したのである。
今から70年も前にアメリカの著名な経済学者、バーリとミーンズは
『 近代株式会社と私有財産 』 のなかで以下のように喝破していた。 |
株式会社の運営に於いて、支配集団は、たとえ自分たちが大量の株式を所有していても、会社のために 利潤を造り出すよりも、会社を犠牲にして利潤を得た方が、よりみずからの懐を肥やすことが出来る。 『近代株式会社と私有財産』(150ページ:文雅堂銀行研究社:1959) |
業務上横領が簡単にできた背景として、日航が1987年まで政府の特殊法人であった事情を理解しよう。
後進国のメイドと同じで、勤務先の台所に置かれた調味料やおかずを、帰り際に持ち帰ってしまうのである。
2006年の新マネー砲談 (5本) |
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順 |
日付 |
月末株価 |
タイトル |
URL |
1 |
10月16日 |
210 |
許されざる親子丼上場 |
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2 |
11月27日 |
212 |
国策が許した高給与 |
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3 |
11月27日 |
212 |
口入れ屋としての航空運送業 |
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4 |
12月11日 |
212 |
上場会社が放った風説の流布 |
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5 |
12月25日 |
212 |
償還期限を迎えた利益操作 |
2007年の新マネー砲談 (12本) |
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順 |
日付 |
月末株価 |
タイトル |
URL |
6 |
1月0
5日 |
255 |
株主はパトロンと異なる |
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7 |
4月0 8日 |
236 |
おんぶに抱っこで職業訓練 |
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8 |
5月29日 |
242 |
JAL破綻を報じないマスコミ |
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9 |
5月17日 |
242 |
JALと機関投資家 |
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10 |
6月17日 |
232 |
並び大名の外資系ファンド |
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11 |
6月06日 |
232 |
日航の大先輩は帝国陸軍 |
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12 |
7月04日 |
232 |
ハイエナ 対 寄生虫 |
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13 |
7月13日 |
232 |
成田はアジアのシャッター街 |
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14 |
7月18日 |
232 |
反省する国と居直る国 |
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15 |
7月23日 |
232 |
株主優待は猿の餌付け |
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16 |
8月 08日 |
264 |
ヒコーキ代は独禁法適用の除外 |
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17 |
12月31日 |
255 |
ソープランドも上場可能か |
2008年 新マネー砲談 (7本) |
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順 |
日付 |
月末株価 |
タイトル |
URL |
18 |
1月10日 |
259 |
注射をくれー!(その1) |
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19 |
1月12日 |
259 |
注射をくれー!(その2) |
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20 |
3月11日 |
259 |
日航がMSCBを発行 |
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21 |
3月14日 |
259 |
日本航空の空中給油 |
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22 |
6月
01日 |
223 |
JALは吉兆の愛弟子か? |
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23 |
7月
07日 |
221 |
JALの株主になるという事 |
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24 |
8月27日 |
232 |
個人株主を人質に取った会社 |
2009年の新マネー砲談 (10本) |
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順 |
日付 |
月末株価 |
タイトル |
URL |
25 |
2月22日 |
186 |
JALの賄い定食 |
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26 |
5月24日 |
185 |
日本航空 純資産の激減 |
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27 |
7月 04日 |
161 |
寄生虫の集会場 日本航空 |
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28 |
8月20日 |
167 |
JALは平安貴族の生まれ変わりか? |
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29 |
9月 02日 |
132 |
日航だけ特別扱いは証券市場の自殺 |
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30 |
9月 09日 |
132 |
日航株のバイ・インはあったのか? |
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31 |
9月27日 |
132 |
JALの駕籠脱け増資 |
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32 |
10月28日 |
117 |
JALの貧乏ブルース |
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33 |
11月26日 |
92 |
法人のJAL売りは何を意味するか |
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34 |
12月13日 |
67 |
JALの史上最高値は2010円 |
新マネー砲談の座右の銘 「公務員を見たら 置き引きと思え」 |
全国の市区町村の2割近い334自治体が、早期勧奨退職する職員を不適切に特別昇給させ、 2007、08年度に計11億2400万円の余分な退職金を支払っていたことが、総務省の調べでわかった。 勧奨退職者には民間企業と同様に退職金の割増制度があり、特別昇給の適用は二重加算になる。 地方公務員の退職金は、退職時の基本給に勤続年数に応じた支給率を掛けて算出する。 特別昇給は、04年5月に国が廃止し、都道府県も06年度末までに全廃した。 |
1月3日 読売新聞より要約抜粋