JALの本業は 官製ダフ屋 だった

 

結論

 

新マネー砲談は新たな仮説を立て、日航の経営破綻に関する全てのマスコミ報道を論駁する。

 

日本航空は1951年の創業以来、事業の実態は航空輸送業ではなかった。

官僚がトップに君臨する“ダフ屋”だったのである。

電鉄会社、海運会社、トラック運送会社……。

こういった旅客・資材の運送業イメージとは一線を画した“ チケットの転売屋 ”が日本航空の正体だったのである。

あまりにも荒唐無稽な主張と読者は呆れるだろう。

しかしながら同社の開業以来の歴史を調べたかぎり、日本航空という組織は運送業というよりも興業師に近い。

すなわち運送屋という“ 汗をかく実業 ”ではなくS席・A席・B席といったランク別座席のチケットを卸売りして利鞘をピン撥ねしたダフ屋。

 

ダフ屋とは? (米川明彦:集団語辞典:2000.2.29東京堂出版)

香具師(やし)の業界用語で切符あるいは入場券の取り扱い業者をいう。

由来は札(ふだ)の倒語。倒語とは語順を逆さに綴る業界内の隠語。

例えば銀座は「ザギン」 上野は「ノガミ」 寿司の材料(たね)は「ネタ」

 

多くの国民は頭上を飛び回る旅客機、飛行場に居並ぶスチュワーデスの光景に幻惑され、日本航空は航空輸送業と信じて疑わなかったはずだ。

しかしながら同社の実態は旅客輸送を名目とし、印刷した航空券を大量に換金市場へ横流しする国家機関だったのである。

 

日本経済新聞 ( 2010年5月29日 )

顧客離れを避けるため日航では営業・経営企画部門を中心に倒産後も株主優待制度の継続を検討。

管財人の企業再生支援機構も容認する姿勢だったが、前原誠司国交相が28日の会見で

「株主優待券が発行されるということは一般の国民からは理解されない。ゾンビみたいな話ではないか

と思う」 と述べるなど反発が強く、一転して断念に追い込まれた。

 

 

201063

株主優待制度に関するお知らせ

 謹啓 深緑の候、株主の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

 

当社は去る119日に会社更生手続き開始の申立てを行い、株式も220日をもって上場廃止となるに至りました。

これらにより、株主の皆様へ大変なご迷惑をお掛けしましたことに、衷心よりお詫び申し上げます。

 

さて、重ねて大変恐縮ではございますが、検討を重ねて参りました結果、これまで株主の皆様にご利用頂いておりました国内線株主優待割引券の発行を休止する旨を決定いたしました。

また、すでにご案内のとおり、年末にお送りしておりましたカレンダーにつきましても、今年末の配布分より発送を休止させて頂きます。

大変恐縮ではございますが、ご了承賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 

現在、当社は企業再生支援機構の支援を受けつつ、早期かつ着実な事業再生を果たすべく一丸となって全力で取り組んでおりますので、何卒ご理解と引き続きのご愛顧を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

謹白

更生会社 株式会社日本航空

 

例えばプロレスやプロボクシングの選手に支払われるギャラは現金と限ったわけではない。

選手は興業チケットの現物を手渡され、選手個人の裁量で現金化しなければならない。

この現物を当日までに現金化出来るプロデューサーが業界の支配者になる。

日本航空は2007年末から何を思ったか、いきなり顧客を超高級路線へと誘った。

東京 ⇔ ニューヨークの往復便で、1人158万円のJALスィートを精力的に売りはじめたのである。

西松遥社長が受け継いだ “ ダフ屋のDNA ” が、突如として先祖帰りの如く、騒ぎだしたのか?

 

2008年、JALは動きます。

ひとつ上の品質へ。

品質で飛ぶ。

http://www.jlife.jal.co.jp/special/headline/080905/

 

同社は営利会社としての上場企業に非ず、株主優待券あるいは御得意様向けのサービス券を社内で印刷して金券屋に搬入し、換金することが “ 創業来のルーティンワーク ”

営業の結果として生まれた収益を株主・経営者・従業員に分配する、営利企業の体をなしていない。

 

多くの日航社員は株式会社の従業員を装っているが、内心では “ ナショナル・フラグ・キャリアー ” の側用人(そばようにん)を自覚しているはずだ。

すなわち、絶対に倒産しない “ 特殊法人 ” であり、立て篭もり ( たてこもり ) を続ける “ 親方日の丸 ” の忠犬ハチ公なのである。

投資家の電話問い合わせに上場会社の総務部員が

 

「連結子会社の従業員総数は、お答え出来ません。」

 

それでいて会社が設立され、事業がスタートする以前から大株主各位には「株主優待券」が発給され、金券ショップでの換金が認められていた。

 

言うまでもなく日航は1953年10月、大蔵省出資の国営航空会社として設立されている。

1951年10月25日、戦後初の国内民間航空定期便としてアメリカのノースウエスト航空から乗員とともに借り入れたマーチン202型機「もく星号」で、羽田空港−伊丹空港−板付空港間の定期旅客運航を開始した。(マーチン・トゥ―オートゥと読む)

正式な会社設立より2年も早く事業はスタートしているのだ。

 

当初は国内線運航のみで、しかも日本に乗り入れていた戦勝国陣営の外国航空会社5社による共同設立会社であるJDAC(JAPANDOMESTIC AIRLINE COMPANY)の運航委託を条件とした営業免許だった。

http://manabow.com/pioneer/jal/index.html

http://gonta13.at.infoseek.co.jp/newpage89.htm

http://www.aero.or.jp/bunka/50zadan.htm

http://www.jal.com/ja/history/history/age_51-60.html

 

 何より驚かされるJALの虚業性とは?

正式な運航免許も取得せず、営業実態のないペーパーカンパニーが、関係者に株主優待券をジャンジャンとばら撒いていた。

 

日本航空は東京国税局の税務調査で、自社の国内路線を割引料金で利用できる株主優待券のうちから予備に印刷した一部を

金券ショップで換金するなどして不正流用していたことが発覚した。     

国税局は、優待券の不正流用や昨年警視庁が摘発した植木リースをめぐる総会屋への利益供与分など税務処理の問題点が

多数あるとして、近く一九九八年三月期までの五年分で総額約二十四億円の法人所得の申告漏れを指摘するとみられる。           

同社は年間二百数十万枚の株主優待券を発行。三月末時点の株主に、持ち株数に応じた割当枚数を送っている。

予備として印刷し余った分やあて先不明で返送された分計数万枚は、期限切れで失効するまで同社が保管することになっている。

しかし、保管されているはずの優待券の一部が定期的に金券ショップで換金されていた事実が判明。

このほか多くの優待券が、旧総務部(昨年廃止)関係者によって、他のセクションに知られないよう一般の旅行代理店などを通じ

航空券を購入する際、使われていたという。                          

航空券の多くは総会屋や暴力団関係者などへ格安で提供されていたという。                      

共同通信1999-02-06他新聞各紙より

 

2009年まで発行が続けられた

株主優待券の第一号は1952年5月26日

 

 

日航株式の東証上場は1961年10月からである。

 

株式市場を通じて個人投資家が株式を買い、名義の書き換えを済ます9年も前から特定の利害関係者だけが“ 株主優待券 ”の特権を享受してきたのだ。

 

 

日本航空の政府出資額推移 ( 単位:百万円 )

 

資本金

政府出資額 ( 後配株 )

出資比率

1953年末

2,000

1,000

50.5

1955年

4,300

3,000

60.6

1957年

7,166

4,000

69.8

1959年

9,387

6,000

63.9

1961年

11,843

6,800

57.4

1963年

14,889

8,300

55.7

1987年

188,300

100%民営化

1961年10月に東証新規上場

 

日本航空株式会社法(1953年法律第154号)に基づく特殊法人として、日本航空株式会社が設立された(1953年10月1日:資本金20億円)

(政府出資の累計は,1963年度末で83億円(資本金額に占める比率は55.7%)

 

 

日本航空()に対する助成 ( 1964年運輸白書から )

本来、国際航空事業は、能率的な交通手段たるのみならず、その国の国際的地位を象徴するものであるが、

その運営には、航空機材の購入等で巨額の資金を要し、経営的にきわめて困難な事業である。

わが国の場合には、さらに戦後の空白期間という特殊な事情もあり、新しく国際航空事業を開始するため

には、格段の措置が必要であつたので、政府は日本航空株式会社法(昭和28年法律第154)に基づく

特殊法人としての日本航空株式会社を設立し、これに対し政府出資(日航法第3条)国際線の維持発展の

ための補助金支出(同法第8条)債務保証(同法第9条)政府所有株式の後配(同法第10)社債発行

限度の特例(同法第5)等の助成を行なう事とした。

(中略)

したがって、日本航空() について、金利負担のない資金すなわち出資が大きな意義をもつものであるが、

なかんづく政府所有株式は、後配株であるので、経営上きわめて有利な資金源であり、民間出資を開拓

するためにも十分な政府出資が望まれる。

後配株 ⇒ 近年は劣後株と呼ばれる。

 

 

多くのマスコミが合言葉のように発する「日航の複雑な労使関係」を倒産原因と考えてはならない。

 

労働組合の状況:平成21年3月31日現在

名称

組合員数(名)

構成

上部団体

JAL労働組合

 9,492

一般地上社員・客室乗務員

航空連合

日本航空労働組合

86

一般地上社員

航空労組連絡会議(航空連)

日本航空乗員組合

1,134

運航乗務員

航空労組連絡会議(航空連)

日本航空キャビンクルーユニオン

1,364

客室乗務員

航空労組連絡会議(航空連)

日本航空機長組合

1,135

運航乗務員

航空労組連絡会議(航空連)

日本航空先任航空機関士組合

88

運航乗務員

航空労組連絡会議(航空連)

日本航空ジャパン労働組合

663

一般地上社員・運航乗務員

航空労組連絡会議(航空連)

日本航空ジャパン乗員組合

668

運航乗務員

航空労組連絡会議(航空連)

 

 

同社が破綻した理由はダフ屋の主力商品である “ モギリ券 ” が、なくなっちゃたからである。

時代の流れが航空輸送業に “ ダフ屋 ” の介在を許さなくなったのだろう。

 

 

戦後の約60年間、我が国の興業界を仕切ってきた官製ダフ屋の倒壊劇は、エアライン業界のみならず全国の運輸ビジネスを激変させると確信する。

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